大人になってから楽器を始めたいけれど、楽器の初心者におすすめなのはどれなのか、ひとりで練習して本当に弾けるようになるのか、迷っていませんか?
この記事では、大人の初心者がひとりで始めやすいピアノ(電子ピアノ)・ギター・ウクレレの3つの特徴と、目的・音・置き場所からの選び方、独学で始めるときの順番を、ヤマハの公式解説や楽器店の資料をもとに解説します。
読み終えるころには、自分がどの楽器から始めればいいかが決まり、最初の1週間に何をそろえて何を練習するかまで見通せるようになります。
楽器の初心者におすすめはピアノ・ギター・ウクレレの3つ|弾きたいもので選ぶ

大人の初心者がひとりで始めるなら、ピアノ(電子ピアノ)・ギター・ウクレレのどれかを、弾きたいものから逆算して選ぶのがいちばん失敗しにくい方法です。
この3つは、ひとりでメロディと伴奏の両方を鳴らせる楽器です。
ほかの楽器のように合奏の相手がいなくても1曲として形になるので、ひとりで練習しても「弾けた」という手ごたえを感じやすいのが共通点です。
教本やアプリ、動画などの独学の材料が多いことも、初心者に向いている理由です。
楽譜を見ながら両手でメロディを弾きたいならピアノ、歌いながら伴奏したいならギター、小さな楽器で気軽に1曲弾いてみたいならウクレレ、と考えると選びやすくなります。

楽器の初心者が始めやすい3つの楽器の特徴

3つの楽器は、音の出し方も、最初につまずきやすいところも違います。
自分に合うかどうかは、楽器のしくみを少し知っておくだけで、かなり見えてきます。
ピアノ(電子ピアノ):鍵盤を押せば音が出て、両手で弾ける
ヤマハの「楽器解体全書」では、ピアノは鍵盤を押せば音が出る楽器で、白鍵と黒鍵が規則正しく並んでいるため、どの鍵盤を押せばどんな音が出るかが分かりやすいと説明されています。
音を出すこと自体はかんたんなので、最初の日から知っているメロディを指1本で弾けます。
そのかわり、右手と左手で違う動きをする両手弾きと、楽譜を読むことに慣れるまでが少し大変です。
家で練習するなら、ヘッドホンで音を出さずに弾ける電子ピアノから始める人が多く、選び方は電子ピアノのまとめ記事で詳しく解説します。
ギター:コードを押さえて、歌の伴奏ができる
ギターの弦は6本で、左手で弦を押さえ、右手で弦をはじいて音を出します。
ヤマハの解説では、アコースティックギターは歌の伴奏に適した楽器で、クラシックギターよりネックが細いのでコード弾きがしやすいとされています。
いくつかの基本のコードを覚えるだけで、比較的短い時間で演奏を楽しめるようになるのがギターの良さです。
反対に、最初の数週間は弦を押さえる指先が痛くなりやすく、ここで挫折する人が多い楽器でもあります。
ウクレレ:小さくて弦が4本、まず1曲を弾きたい人に
ウクレレの弦は4本で、基本のチューニングは4弦からG・C・E・A(ソ・ド・ミ・ラ)です。
楽器が小さく軽いので、ソファに座ったままでも構えやすく、弦が少ないぶん押さえるコードの形もかんたんなものが多くなります。
「まずは1曲を弾き語りしてみたい」という目的なら、いちばん早く形になりやすい楽器です。
楽器の初心者に向かない選び方とデメリット
見た目やあこがれだけで選ぶと、練習したい曲と楽器が合わずに続かないことがあります。
たとえば、ピアノの曲を弾きたいのにウクレレを買うと、メロディと伴奏を両手で弾く楽しさは味わえません。
また、アコースティックのピアノやギターは音が大きく、集合住宅では練習できる時間が限られるのがデメリットです。
電子ピアノは場所を取り、ギターは指が痛い時期がある、ウクレレは音域がせまいなど、どの楽器にも弱点はあるので、自分の暮らしで許せるかどうかを先に考えておきましょう。
楽器を趣味で続けるための選び方

楽器を趣味として長く続けられるかどうかは、楽器そのものよりも、家で練習できる環境に左右されます。
次の3つの順番で考えると、自分に合う楽器が自然にしぼれます。

弾きたい曲から決める
いちばん大事なのは、弾けるようになりたい曲がどの楽器で弾かれているかです。
ピアノのソロ曲ならピアノ、弾き語りやバンドの曲ならギター、ハワイアンや軽い弾き語りならウクレレ、というように、目標の曲がはっきりしているほど練習が続きます。
家で出せる音の大きさで決める
ヤマハの「音のマニュアル」では、ピアノの音は窓やドアのすき間から伝わる音と、床や壁に伝わる振動の音の2つで周りに広がり、アパートやマンションなどの集合住宅では床や壁に伝わる振動への工夫が必要だと説明されています。
夜に練習したいなら、ヘッドホンをつなげる電子ピアノか、ヘッドホンアンプを使えるエレキギターを選ぶのが現実的です。
アコースティックギターやウクレレは電気を使わない楽器なので、音量はある程度出ると考えておきましょう。
置き場所と持ち運びで決める
電子ピアノは88鍵のものだと横幅が大きく、たとえばヤマハのP-145は幅1,326mm、質量11.1kgです。
ギターやウクレレはスタンドに立てたり壁に掛けたりできるので、部屋の広さに余裕がない人や、外に持ち出して弾きたい人に向いています。
ギターに向いてる人・ピアノに向いてる人
歌うのが好きで、友だちとセッションしたり人前で弾き語りしたりしたい人は、ギターに向いています。
ひとりでじっくり曲を仕上げたい人や、楽譜を読むのが苦にならない人は、ピアノが向いています。
手が小さいことを心配する人もいますが、ヤマハの解説では、ネックが細いアコースティックギターは手が小さい人にもすすめられると紹介されています。
楽器を独学で始める順番

どの楽器を選んでも、独学で始めるときの流れはほとんど同じです。
最初の1週間は、次の順番で進めると迷いません。

1:楽器と最低限の道具をそろえる
最初にそろえるのは、楽器本体と、ギターやウクレレならチューナー、電子ピアノならヘッドホンとイスくらいで十分です。
アンプやエフェクター、たくさんの教本は、弾けるようになってから必要なものだけを足しましょう。
2:チューニングと構え方を覚える
ギターやウクレレは、弾くたびにチューニング(音合わせ)が必要です。
ヤマハの解説でも、ギターは演奏する人が自分でチューニングをおこなう楽器で、まずチューニングに慣れることが非常に大切だとされています。
ピアノは、イスの高さと座る位置、手の形を最初に整えておくと、あとでくせを直す手間がかかりません。
3:毎日少しずつ楽器の練習をする
独学でいちばん効くのは、長い時間をまとめて練習するより、短い時間でも毎日楽器にさわることです。
楽器を出しっぱなしにしておく、1日1つだけ新しいことを覚える、と決めておくと、忙しい日でも続けやすくなります。
自分の演奏をスマホで録音して聞き直すと、ひとりでも直すところに気づけます。
4:独学がつらくなったら大人の楽器の習い事も考える
独学は自分のペースで進められる反面、間違ったくせに気づきにくいのが弱点です。
同じところで1か月以上つまずいたら、大人向けの音楽教室の体験レッスンを1回だけ受けてみるのも立派な独学の方法です。
独学と教室のどちらがいいかは、教室のまとめ記事でくわしく比べます。
よくある質問

50代から始める楽器でも遅くない?
遅すぎることはありません。
趣味の楽器は、プロを目指すわけではないので、弾きたい曲を自分のペースで弾けるようになれば十分です。
楽譜が読めなくても楽器は始められる?
始められます。
ギターやウクレレはコード表やタブ譜で弾けますし、ピアノもドレミ付きの楽譜から始めて、少しずつ読めるようになれば大丈夫です。
楽器の初心者は1日どれくらい練習すればいい?
決まった正解はありませんが、まずは毎日続けられる時間にしましょう。
短い時間でも毎日さわるほうが、指の動きや楽譜の読み方を忘れにくくなります。
楽器は中古で買ってもいい?
中古でもかまいませんが、初心者には状態の良し悪しが分かりにくいのが注意点です。
ギターならネックの反りや弦の高さ、電子ピアノなら鍵盤が戻らないものがないかなど、楽器店で確かめてもらってから選ぶと安心です。
夜に練習できる楽器はどれ?
ヘッドホンがつなげる電子ピアノと、ヘッドホンアンプを使うエレキギターが向いています。
電子ピアノでも鍵盤をたたく音やペダルの振動は伝わるので、防振のマットを敷くなどの工夫もしておきましょう。
楽器は独学と教室どっちがいい?
弾きたい曲がはっきりしていて、自分で調べながら進めるのが好きなら独学で十分です。
正しい弾き方を早く身につけたい人や、ひとりだと続かない人は、教室を組み合わせると上達が早くなります。
まとめ:楽器の初心者は弾きたいものと家の環境で選ぶ

楽器の初心者におすすめの3つの楽器を、目的ごとに逆引きできるようにまとめます。
| こんな人 | おすすめの楽器 |
|---|---|
| 楽譜を見て両手でメロディと伴奏を弾きたい | ピアノ(電子ピアノ) |
| 歌いながら伴奏したい・バンドの曲を弾きたい | ギター |
| 小さな楽器でまず1曲を弾いてみたい | ウクレレ |
| 夜にヘッドホンで練習したい | 電子ピアノ・エレキギター |
| 部屋がせまい・持ち運びたい | ギター・ウクレレ |
迷ったら、いちばん弾きたい曲が鳴っている楽器を1つだけ選んでください。
目標の曲があれば、毎日の練習が「その曲に近づく時間」に変わり、ひとりでも楽器を続けやすくなります。
どの楽器にも、場所を取る・指が痛い・音域がせまいといった弱点があるので、買う前に自分の暮らしで許せるかを確かめておきましょう。
